'10秋展覧会探訪 奈良県立万葉文化館

日曜日、奈良県立万葉文化館に行ってきました!

田んぼの稲に彼岸花がとても映えていましたよ。


今回のお目当ては、
「写真展 小川晴暘と奈良飛鳥園のあゆみ
―小川光三・金井杜道・若松保広―」

この展覧会を見れば、飛鳥園の流れを大体追うことができます。
今の小川光三さんは有名ですが、父の晴暘さんについては全く知りませんでした。

今回、晴暘さんの作品を鑑賞できて良かったです。
当然ながらモノクロで、顔の部分をアップで撮るという特徴がありました。
飛鳥園の黒バックで仏像を撮るという手法も、晴暘さんから始まっていたんです・・・
これは会津八一が勧めたらしいですけどね。


有名どころの中宮寺半跏思惟像や東大寺法華堂の像たちなど、
息子の光三さんの作品と比べてみると、
技術の向上やカラーということや大胆な構図もあり、趣の異なる写真に見えました。

私の個人的な好みでは、お父さんのモノクロ写真の方が良いですね
あと、入り口にあった晴暘さんが東大寺大仏殿の屋根の上で座っている写真は
結構気に入っています。どうやって撮ったのか気になる!



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そして、その日この展覧会に出品されている金井杜道さんの講演会を聴講しました。
これが本当の目的だったりする・・・

というのも、
金井さんは飛鳥園出身ではありますが、35年間京博で写真技師として勤務されていた方で、
私の指導教官が常々「昔、金井さんと○○君とひたすら仏像の調査したなあ」
「金井さんとは結構仕事したけど、やっはり凄いわ」
と言っていたので、
どんな方なのか非常に興味があったのです。
(ちなみに、東博の国宝阿修羅展の図録を撮った人です。)

しかも、資料写真を撮り続けている方がどのような感覚で飛鳥園の写真を
見ているのかが気になっていました。

そのお話の中で、師匠である小川氏の写真と自分の資料写真の撮り方を比べて
おっしゃっていたのが特に興味深かった・・・


まずは被写体自体が異なる。
飛鳥園では仏像がメインであるのに対し、
京博では様々なものを撮らなくてはいけない。

次に照明や採光。
小川氏は仏像を撮る際、人々が拝み見上げる角度から光を当てる、
またお堂や厨子を開けたときの光の入り具合を重視する
、らしい。
それは仏師の故・西村公朝氏も同じ考えで、
それは当時の仏師は扉の光や灯明の光で造像しているためという考えから。
そして背景は黒。ネガの段階では余計なものが写りこんでいるのを
薬品で消すみたいです。


金井氏はあくまで資料写真であるため、
バックは白、そして基本的に上から照明を当てるそうです。
しかし、これだけでは強く影が出てしまうため、さらにいろいろな角度から
光を当てるように調整するということでした。


続いては、構図
資料写真はあらゆる方向で撮るため、
正面・左右・後ろはもちろん、坐像なら像底・立像なら足ほぞ(台に突き刺すための出っ張った部分)
も撮るそうです。
金井氏曰く「学芸員から文句の出ないように」(笑)

淡々と資料写真を撮り続け、それをあるとき並べてみたところ
自分の写真も面白いじゃないかと気付いたそうです。
確かに、小川氏のようにココ!!という緊張感のある一瞬を提案する写真ではないですが、
金井氏の写真は、見ている人に自分自身のベストアングルを見つけてもらう、
また仏像の新たな側面を知ってもらうという写真
のような気がします。



さらに、面白かったのは「仏像が泣いちゃう」という表現でした。
これはどういう意味かというと、
余計な光を当てると影ができて、泣いているように見えるということ。
かの有名な「中宮寺半跏思惟像」を撮影するのに照明を当てると
始末に終えないという。
それだけ直接照明を当てるのが難しい!

講演の中で、知らなかったことが次々と明らかにっ

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今まで、奈良市立写真美術館で土門拳や入江泰吉の写真を見たりしましたが、
個々の作品をどういう見方をすればいいのか、あまりわかっていませんでした。

今回、金井氏の講演を聞いて、少しは写真の見方(特に仏像)が
わかった気がします。

17日(日)には小川光三氏が講演をされます。(当日受付)
興味がある方はぜひ聴きに行ってみてください。
撮影の裏話なんかが聞けそうですね?(^^)
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No title

はじめまして!
奈良が大好きな関東に住んでる者です。
写真家さんの話私も聞いてみたいです!
撮った人によって仏像も変わりますしね~。

御礼

コメントありがとうございます。

写真というのは「一瞬を切り取る」なんて言われますが、
本当は、撮る瞬間に至るまでの準備や計算が綿密に行われ、
写真を実際に焼くところまで気が抜けないというのが
今回の講演を聴いて実感しました。

世間によく出回っているのは小川光三氏の作品ですが、
他の写真家さんの仏像写真と比較してみるのも
面白いかもしれませんね!
プロフィール

ごじょ

Author:ごじょ
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「ごじょ」とは正倉院宝物呉女面からとりました。
誰かさんに本物を目の前にして言われました~☆


上司には「唐三彩の侍女像」に似てるって・・・
この頃は否定しません・・・

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